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 ”肩こり”ってどんなもの? -肩こりの解消体操-
“肩こり”は“腰痛”と同様に、人間が2本足で生活するようになってからみられる症状です。その要因として、1)頭を支えている 2)腕を支えている 3)長時間の不良姿勢 などが挙げられます。特に冬の時期は、寒さと衣服の厚着も原因の一つとして挙げられます。これらによっておこる主な症状を解剖学的な見地から説明を加えて、ご自宅で日常出来る、簡単な“肩こり”の解消体操をご紹介します。
人の頭の重さは、成人で6〜8kgあるそうです。もちろん個人差はありますが、腕も同様に8kg前後、たとえますと 5kg以上のお米もしくはボーリングのボール3つを首、肩、背中の上位で支えたり、釣っている状態でいるわけです。現代生活では、各種の仕事やデスクワーク(勉強)、家事など、下を向いたり、顔を前に突き出したり、肩を前にすぼめるような姿勢を 長い時間とらざるをえません。ここで不利なのが、首の長い方や、背中の肩甲骨から腕にかけての筋肉が弱い方、又最近弱ってきてる方、以前にむち打ちや首の捻挫をしたことがある方などです。筋肉に、乳酸といわれる疲労物質が蓄積して、その筋肉本来の伸び縮み(収縮)が出来ずに、静脈とリンパ液の流れが悪くなり、‘うっ血,という状態の悪循環を引き起こし「肩がはる」(こる)と感じるのです。が、その中には、「頚肩腕けいけんわん症候群」(胸郭出口きょうかくでぐち症候群:斜角筋しゃかくきん症候群・肋鎖ろくさ症候群・他の総称)というものに当てはまっている方が少なくありません。しかし、この1/3から半数はこれに関連する約3種類の筋肉の緊張(張り)を解除してあげる事で軽減できます。この対策の体操は、片手で頭の上〜反対側の頭に手をかけ、首の力を抜いた状態で、その手の方にゆっくりと引いてみて‘少し引かれている’と感じるところで30秒、深呼吸(はくときにはゆっくりと)してみてください。立っていても、座っていてもいいのですが、背筋を伸ばした姿勢で行うとより効果的です。これを左右、少しずつ角度を変えてみながら行なってみてください。これで、もし痛みやしびれが手や腕に増すようですと、「頚椎の後縦靭帯骨化症こうじゅうじんたいこっかしょう」「変形性頚椎症」「頚椎椎間板ヘルニア」なども疑えますので、医療機関に診てもらう事をお薦めします。
もう一つの体操として、お休みのときに、枕をしないで布団に後頭部・両肩をべったりつけ、あごをひてみてください。これも30秒深呼吸(はくときにはゆっくりと)するとすっきりすると思います。あとお休みの枕ですが、肩はりの方には、高枕はあまりおすすめできません。高価な枕も有る様ですが、ご自宅のバスタオルを2枚ほどたたんで、ご自分に合った枕を作ってみるのもいいのではないでしょうか?結構 はまりますよ。


 ”四十肩・五十肩” -予防と治療法-
“ 肩 ”には図1で示すように、鎖骨、肩甲骨、上腕骨の3つの骨から、それぞれが関節を構成しています。その中でも、肩甲骨と上腕骨で構成しているものを主に“肩関節”と言い、身体の中で最も可動性の大きな構造になっています。そしてそこに17種類の筋肉と多くの靭帯で構成されているために、より複雑な動きを可能にしています。しかし、運動性を主体としているため安定性に乏しく、筋肉や靭帯に無理な外力が加わり、痛みとなって生じる場合が多いのです。その中でも加齢によって現れる代表的な疾患として、『肩関節周囲炎』があげられます。『肩関節周囲炎』とは、一般的に『四十肩・五十肩』と呼ばれ、40〜60歳代の方に多くみられる、運動制限と肩の痛みを主症状とするものです。肩の痛みは首や腕、手にまで至ることが多く、夜間や寒冷時に強く現れ寝不足になってしまうようなケースもあります。髪をとかしたり、エプロンの後ろ紐をむすんだり、更衣動作など腕を捻じる動作が苦になり、その痛みのために肩を動かさなくなってしまい、重く固まった状態となり、日常生活に支障をきたすケースが多いのです。
治療法としては、ホッカイロやホットパックを用いた温熱療法と、痛みが生じない程度の運動療法が主体となります。あたためると痛みが軽減しますので、お風呂にゆっくりとつかった後、少しずつ動かすと効果的です。体操の方法は図2に示してありますので参考にしてください。多くは1年ないし1年半で痛みが消失し治癒すると言われていますが、その他の疾患も考えられますので、一度、医療機関を受診されることをお勧めします。
季節によって窓を開けてお休みになられる方は、朝方などは肩が冷えることが考えられますので、十分に気をつけてください。また、冷房にはあまり当たりすぎないよう心がけ、睡眠時間をしっかり取ることが予防につながると思います。


 ”肩こり”の原因 -「肩関節周囲炎」の見分け方-
肩についてポイント1・2で、腕や手に痛み、しびれをもひきおこす「頚肩腕けいけんわん症候群」・『四十肩・五十肩』と呼ばれる『肩関節周囲炎かたかんせつしゅういえん』についてご説明いたしましたが、ここでは自覚症状で多く感じる人がいると思われます“肩こり”についてその原因として考えられる事項を いくつか列挙してみます。
まず、肩や首の筋肉内外を通っている血管の内壁にコレステロールなどが沈着し、慢性的な循環不全の状態をつくってしまう“高脂血症”があります。これは生活習慣病のひとつで、血圧・高脂血症のチェックが必要となります。ストレス、過労、更年期障害など、さまざまな“自律神経系の障害”が原因で、“肩こり”、頭痛、めまい、いらいら、動悸、息切れ、呼吸困難、しびれなどを訴えることがあります。このような症状が長く続いている場合は、医療機関(内科医)に診てもらう事をお薦めします。また、不眠がつづいたり、経理事務など前かがみで長時間仕事をしたり、コンピュータやワープロなどの仕事がつづいて、首や肩の筋肉が硬くなり“血行不全”がおきますと筋肉への酸素不足がおき、筋肉に「乳酸」がたまって、“肩こり”の原因になります。軽いときは、ぬるめのお風呂(39度位)でゆっくり温まったり、温シップを肩や肩甲骨の間に貼ったり、軽い体操などをして気分転換をはかり慢性化させないことが大切です。
簡単に“肩こり”と思っていても「頚肩腕けいけんわん症候群」と言う病名がついてしまう場合があります。その見分け方を1つ紹介します。片手のひらを正面に向け、つり革につまるように肘を90度曲げ、上腕じょうわん(にのうで)を地面と平行になるように手をあげます。しばらくそのままにします(写真1)。顔を上げた手の反対側に向けます。そのままあごを上にあげ、30秒ぐらいそのままにして(写真2)、しびれる感じがしたりしびれましたら該当している可能性が高いと思われますので、積極的に体操(ストレッチ)などをして首の横にある筋肉や鎖骨の上下にある筋肉を柔らかくするように心がけてみてくだい(写真3)。大半の場合はこれで改善されると思います。

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