まず『麻痺』について簡単に説明しましょう。『麻痺』とは、広い意味で、神経や血管、筋肉組織の損傷や循環不全、疾病によって運動や感覚機能が失われてしまった状態をいいます。その中でも今回は『橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ) 』についてお話します。 そもそも橈骨神経とは、首の7つある頚椎(けいつい)の上から五番目〜胸椎(きょうつい)の一番上の神経がより合わさって、腕を通り手首にかけてくだります【図1】。この神経は、腕を伸ばす筋肉と手首を反らす筋肉に命令をしています。また筋肉の動きだけではなく、肘から親指・外側、人差し指、中指の半分・手の甲側から腕の後ろを通って、皮膚(痛い、熱いなど)の感覚も脳に伝えています。【図2】 『橈骨神経麻痺』とは、これら筋肉の動きや感覚が喪失してしまった状態をいいます。
症状としては、手の甲側の感覚が鈍くなり、手首を反らす筋肉が上手く動かないため、指を曲げる筋肉が麻痺しているわけでもないのに、物が上手く握れなくなり、持っているものを落とす事もしばしば起こります。そして、最も分かりやすい症状として、お化けの手のように、手首が曲がる下垂手(かすいしゅ)という状態になります。
原因として挙げられるのは、頚椎(けいつい)椎間ヘルニアや変形などによって神経が圧迫されて起こる場合や、骨折や事故などで神経自体が傷つけられてしまう場合です。また腕まくらをして寝たり、腕を体の下にして、不自然な格好で寝ると神経や血管が長時間圧迫されて、一時的な麻痺をおこします。後者の場合は、ほとんどが数日で自然治癒します。が、治るのに6ヶ月以上を要するケースもあります。
麻痺を起こした筋肉は自力で動かせなくなるので、筋肉が弱くなって萎縮(いしゅく)してしまいます。それを回復させる為に、マッサージを併用した運動を行います。手首を反らすようにゆっくりと動かし、疲労度合いを見極め、毎日コツコツと続けていくことが大切です。筋肉の動きが弱くなると、血流は悪くなってしまい、回復の障害になりますので、冬場は特に冷やさないようにし、外出では厚手の手袋などをして、防寒対策を心掛けてくさい。そして早めの治療を心掛けてください。
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